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心臓の手術の話し

私達が生きている以上、毎日毎日繰り返される日常で、自分自身の体を知らぬ間に消費しています。

 

 

物と同じように体も消耗品ってわけで、月日が経てば古くなり修理が必要になることもあります。

 

 

働き者の父は、ある時から息を吐く時にヒューヒューと言い出し、呼吸するのが苦しく感じることがありました。

 

 

空気が音を出すのは、通り道が狭いのです。

ドアの隙間を通る隙間風と同じ状況。

 

 

息を吸う時に音がすれば、鼻から気道あたりが狭くなってる可能性があり、息を吐く時に音がするなら、気道より奥が狭くなっていると言われています。

 

 

ま、どこかに狭い部分があるってことは間違いありません。

 

 

それで病院で精密検査をした結果、心臓に狭いところがあることがわかりました。

 

 

大動脈弁狭窄症および閉鎖不全症

 

 

簡単に言うと、心臓には4つの部屋があって、それぞれに血液が流れ肺へ…全身へ…出ていくのです。

 

逆流しないように、それぞれの部屋にはドアがついており、それを弁と言います。

 

そのドアが古くなって、何らかの原因で錆びたり固くなってしまい、キチンと開かないキチンと閉まらない状態になると、様々な支障を起こしてしまいます。

 

そのドアの立て付けが悪い為に、一旦出た血液が逆流し部屋の中は正常な量よりはるかに多い血液で溢れてしまう。

なので心臓が肥大して、これが心不全ってやつです。

 

それによって近くの血管も交通渋滞を起こして膨らんでしまいます。

これが大動脈瘤ってやつです。

 

 

ドアの立て付けが悪いだけで、次から次にトラブル箇所が増えてきます。

 

 

で、今回、手術をすることになった父。

 

 

大動脈弁置換術

ドアを新しいものに変えます。

機械弁と生体弁があり、それぞれ一長一短あります。

生体弁は牛や豚のもので、10~15年持ちます。父はそれにしました。

機械弁はもっと長持ちしますが、血の塊ができやすいので、一生、血液サラサラの薬を飲まないといけません。若い人向けです。

 

方法としては、胸の正中を切り、胸骨を切開。

心臓を止めて、人工心肺を回して、取り替えます。

 

 

上行大動脈置換術

大きくなった心臓の近くの血管も太くなっている為、血管の壁が薄く広がって危険。

風船を大きく脹らませた状態と同じで、そのまま膨らむと破裂するか裂けるか。

破裂したら、大動脈破裂。

裂けたら、大動脈解離。

 

 

そうならないうちに、そこの血管も取り替えます。

 

 

方法としては、血管を縫う時は出血するので、一時的に全身の血流をとめなくてはいけません。そうすることは、全身の臓器への負担を最小限度にするため、体温を低くして循環停止したり、いわゆる人体を冬眠状態にするってことです。

 

 

医学は、ここまできたか…

 

 

メイン内容は、そのくらいで、後は不整脈があるから、電気信号を遮断したり、チャチャと出来るやつをついでにしますみたいな。

 

 

わ~と思うけど、日常茶飯事でやっている立場からすると、意図も簡単に淡々と話される。

 

 

患者の立場からは、先生を信頼するしかありません。

 

 

父は車椅子で看護師さんに押され、私は後ろをついて手術室前まで一緒に行きました。

 

 

とても静かで厳粛な時間。

 

 

手術室に入る直前で看護師さんが車椅子をUターンされ、私達に父の顔が見えるようにされました。

 

 

泣きたい衝動をこらえ、不安がらないように笑顔で明るく見送ろうと努めました。

 

 

「待ってるからね」

 

「よろしくお願いします」

 

 

父は手術室に入っていきました。

 

 

それからトイレに入って涙があふれたけど、ヨシッと気合いを入れて、長い待ち時間を耐えています。

 

 

無事、手術がおわりますように…